野あそびガイドみちくさのホームページリニューアルに伴い、
過去のサイトブログより加筆・修正して掲載いたします。
秘境源流釣行
沢登りでピークを目指す人が見向きもしないような渓流
魚釣りの人がおいそれと立ち入れないような渓流
そんな人知れずイワナが育つような秘境の川を目指す釣り。
山岳ガイドだからこそ行くことができる源流へ
2013年~2014年 二つの渓に訪れた。
まずは2014年 静内川源流コイカクシュシビチャリ川へ
初めてこの川へ入った時の感動は今でも忘れられない。
この川を訪れるきっかけとなったのは、今野保著『秘境釣行記』を読んでだ。
時は昭和7年。
今から100年近くも前の北海道は日高での釣りの記憶の自伝小説を読んだから。
その本には「自然が豊かだ」と言われる今の北海道からすら想像もできないような、”本当の”自然が描かれていた。
川床と見まごう鱒の群れ。源流部ですら滔々と流れる豊かな水量。巨木の森。そんな自然の恩恵により生かされる人々。
近所の小川ですら溢れるほどの魚が釣れたであろう当時に、わざわざ山越えをして日高の奥地で”趣味で”釣りをするお話。
源流釣り師ならだれもが憧れる桃源郷がその本には描かれていた。
身一つで山で過ごす術が描かれていた。
私はこの本を読んで、釣りに対する意識が、川に対する見方が変わった。
秘境釣行ガイドという仕事をしようというきっかけになった本だった。
そのコイカクシュシビチャリ川は今でいう静内川源流で、
静内ダム、高見ダム、東の沢調整池と三つのダムに分断されてしまっており、源流に至る林道は電力会社管理のため20年以上前に一般通行ができなくなってしまっている。
ではどうするか…
別の水系から分水嶺をまたぐ山越えでのみ、今は訪れることができる。
一部の登山愛好家が上級レベルの登山をするためだけに使うアプローチルートを使って。
そんな現代に残された”秘境”は今はどうなっているのだろうか。
もしかしたら今でも『秘境釣行記』に描かれているような川が残されているのでは?
そんな想いから、本を読んだ直後に居ても立ってもいられず日高へ飛び出した。
札幌から車で5時間。
山越え4時間。
ちゃんと釣りをしようと思えば、往復で2泊3日。
できれば3泊したいかも。
先人の痕跡を頼りに、道なき小渓を詰めて藪を漕ぎ、山を越えた先には…
思ってもいなかった景色と、
たくさんの魚が待っていた。
さて。
そんなメナシベツ源流シベチャリ川にも、もう、かれこれ何度通っただろうか。
現代ですら溢れる渓魚。
時には耐えられないほどの羽アリのふ化。
切られた4X。(源流部でどんなに大きな魚でも切られたのはこれきり)
2018年の融雪雪崩。
いろんな表情を見てきた。
”魚を釣る”という点にとっていえば、他にもっと簡単に行ける釣れる川はある。
”原生林”という点にとっていえば、ほかの森のほうがずっと手つかずだったりする。
それでも魅力的で、また行きたいと思わせるのは…
日高源流というブランドと、やはり『秘境釣行記』への”100年前”への憧れ、だろうか。
野あそびガイドみちくさでは
2泊3日行程~ 釣行お承りしております。
山小屋宿泊も、河原でテント泊も、保少年が小屋掛けしたであろう場所でのビバークも…
ご希望いただく皆様のお好きな滞在方法で”源流釣行”をご案内させていただきます!