2022年夏
今年はちょっと集中してテンカラを振ってみた。
北海道の源流釣行ではどんな仕掛けが最適か竿とラインと、とにかく使い比べてみた。
とりあえず答えだけ書いちゃうと…
竿: DAIWA NEOテンカラ ミノムシ33 https://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/ten_rd/15_neotenkara/index.html
ライン: Fujino テンカラストレートライン・パワフル https://www.fujinoline.co.jp/archives/20160.html
ハリス: フロロライン 1号
もうこれしかない。
小河川のオショロコマから、大型のトラウトまで、これでいけちゃう。
なぜこの組み合わせなのかという話なのだが…
そもそも、
みちくさの秘境釣行へいらっしゃる方の多くはフライフィッシングの方がほとんどなのだが、ここのところテンカラの方が目立つようになった。
昨年取材いただいた つり人社の『渓流』もテンカラ特集で。
とのお話だった。
フライフィッシングより道具も少なく手軽に毛鉤釣りが楽しめるのが良いみたい。
かくいう僕も、ガイディング中はゲスト様のお手伝いに忙しくフライロッドが邪魔になるので、畳んだまま持ち運び、さっと竿を延ばせば数秒後には毛鉤を振り込めるテンカラを持って歩くことが多いのだが。
そんなテンカラ釣りだが、北海道の源流釣行ではどんな仕掛けが適しているのか。
せっかくだから、いろんなライン×竿の組み合わせを試して、最適を見つけてみようという気持ちになったのがきっかけ。
ロッド
・DAIWA テンカラX30(先調子)
・DAIWA ミノムシ33(先調子)
・NISSIN ロイヤルステージテンカラ6:4 360(胴調子)
ライン
・Fujino テンカラストレートライン ノーマルorAQ (Zxion・ポリアリレート)
・PALS テンカラLEVEL LINE 3.5号 (フロロカーボン)
・富士流テンカラバス(より糸) 各種
・DAIWA テンカラライン(モノフィラメントコア フローティング)
それぞれ ロッドの長さ:テンカララインの長さ = 1:1 もしくは 1:1.5
ハリス長は 矢引(1尋の半分 80センチくらい)
で試してみた。
まず、前提として、北海道 と言いつつ、みちくさで最もよく入る川は
・川幅5m〜15m程度の上流〜源流域
・被ってる木があったり、広い河原があったり
・対象魚は20センチ程度のイワナから、40〜50センチくらいのニジマス・アメマス・ブラウントラウトまで多様
ということで、本流域ほど大きな川でないのに、大型のマスが釣れてしまうっていう川。
そして、使う毛鉤が大きい。
テンカラだけれども、使う針は基本的にドライフライで、なまらおっきな「カディス」や「セミフライ」「スティミュレーター」がよく釣れる。
この大きなフライをしっかり振り込んで、大きなニジマスをしっかり獲れる組み合わせが必要って訳。
こういう、もしかしたら?特別な環境かもしれないけれど、
「北海道で大きなマスをテンカラで釣りたい」に適した仕掛けということで。
まずは、竿はというと。
振込自体は、先調子・胴調子、どちらも、どのラインの組み合わせでも問題がなかった。
いやはや、メーカーさんの努力の賜物ですかね。ラインの種類も、長さもどの組み合わせも過不足なく振り込めた。
ただ、、、大型魚になると36胴調子の竿では取り込みまでにかなり魚を弱らせなくてはならなかった。
それって、魚に可哀想だよね。
だから、早く逃がすためには先調子でバットのしっかりした竿で手早く獲ってあげるのが良いかも。
その点ダイワのミノムシは、もともと源流の尺イワナをしっかり釣れる竿って設計らしいけれど、なんもなんも。
50くらいのニジマスが瀬を走ってもしっかり穫れるくらいの強さだった。
長さも、広い川ではライン長を延ばせば対応できるし。
33なら、小さい川でもまぁなんとかなる。
ついでに言うと、竿を畳んだときにブランクスを全部グリップが覆っているため、アプローチの山行中に竿の破損の心配がないのが、源流釣師には何より嬉しい。
予備竿を持つなら、
短めの胴調子の竿を持てば、小川の小さなイワナと遊ぶのが楽しいんでないかな?
次にテンカララインについて。
テンカラ釣りの一番の長所は、ラインを水面につけずに毛鉤を流す釣り方だと思う。
たとえハリスだけでも水面についていれば、川の流れの速さの差があれば、ドラグがかかってシビアなときは釣れなくなる。
じゃあ、どんな時も提灯釣りかというと、ただでさえフライフィッシングに比べて届く距離の短いテンカラ釣りではさらに不利。
できるだけ遠くで毛鉤だけ浮かせたい。
それができるのが理想のラインなのだけれど…
各ラインの特徴から書いてみようかな。
・モノフィラライン・・・ライン自体が重いので、すっごく振りやすい。けれど重いラインの自重で糸が垂れ下がってきて毛鉤が勝手に近寄ってきてしまう。
流れを横切ってきて、もはやドラグ以前の問題。
・テンカラバス・・・毛鉤の大小を問わず振り込みやすい上に軽いので遠くで毛鉤を保持しやすい反面、太い糸が風の影響を受けやすく強風下ではラインごと毛鉤が持っていかれる。
・フロロライン・・・細くて重さもあって、キビキビした振込になる。重すぎず軽すぎず、程よく毛鉤を保持できる。
・テンカラストレートライン・・・軽くてふわっとしつつも、細いので風の影響を受けにくい。少し太めの「パワフル」を使えば大型の毛鉤も難なく触れる。
ということで、キビキビ釣りたければフロロライン。テンカラらしいふわふわしたキャストが良ければテンカラストレートラインがお勧め。
ここは好みだけれどね。
蛇足だけれども、ロングラインで強風下でしっかり振って、そもそもフライフィッシングみたいにラインを全部水面につけるような釣り方をするならモノフィララインが良い。
短所は長所ってことで。
ということで。
僕の最適は
レベルライン向けの先調子の竿3.3m(ミノムシ33) × Fujinoテンカラストレートラインパワフルを竿とラインを1:1
川幅も川原も広いような川なら、ラインもしくはハリスを伸ばすかも。
予備竿として、小川で風の影響もなく、小魚と戯れる竿として
6:4胴調子の2.7m × 富士流テンカラバス(竿と1:1)
という2セットかなと。
手持ちの竿はミノムシ以外は 30先調子と36胴調子だから、組み合わせ間違えてんじゃん 笑
参考になりましたら幸いです〜
樽前山が好きだと、事あるごとに口にして、SNSなどでも書かせていただいた。
言葉にするって、大事ですね。
それらを見てくださった番組ディレクターさんからご連絡をいただき、番組に出させていただくことになりました。
にっぽん百名山 北海道樽前山 苔の回廊と活火山
活火山 樽前山が見せる多様な環境。
裾野の樹海と複雑な地形が生み出す苔の回廊、なだらかながらも森林限界を超え荒々しい表情も見せる山頂部。
それらを紹介しながら歩かせていただきました。
いやー、テレビカメラの前で話すって一層緊張しますね 笑
恥ずかしいですが、もし再放送などあった際には御覧くださいませ〜
秘境ガイドとして活動を初めて10年弱になろうか。
日高、大雪、道南などの源流域をご案内させてもらってきたが、ふと思った。「積雪期の源流ってどんな姿なのかな?」と。
「1年を通しての姿も知らないのに、秘境ガイドを名乗って良いのだろうか?」と。
思いついてしまったら、もう居ても立ってもいられなくなってしまった。
すぐさま計画を立てて、翌週には日高に向かった。
目的地はニシュオマナイの源流、神威山荘。
冬季は林道終点より13〜4km手前でゲートが施錠されているため、スキーもしくはスノーシューで歩かなければならない。
まぁ、言っても林道でしょう?と油断していたら、日高特有の崖を切り出した道路は雪崩で埋まっており、数十〜100メートルほどのトラバースとなっていた。
もちろん、写真左の崖下は100の断崖絶壁。スリップ一つで、命はない。
スコップで足場を作りながら、一歩ずつ進む。
こんな場所が5〜6箇所もあり、4時間程度と思っていた行程も6時間強かかってしまった。
それ故、到着の感動もひとしおというもの。
すぐさま安着祝い。(途中でも飲んでる)
山荘には薪を備蓄してくれていて、濡れた服や靴を乾かし、快適に過ごすことができた。
荷物の大半を占める酒と肴で源流の夜を満喫したのは、言うまでもない。
ところで、雪に覆われた源流域では一切の反応がなかった。
石の下で寝ているのか、もっと下流の瀞場にいるのか。
なんにせよ、冬の日高源流は夏以上に綺麗だった。
結氷した山上湖でもイワナに会いたいアイスフィッシング
北国の冬。
渓流は雪に閉ざされ、多くの内水面は氷に覆われてしまう、冬。
いくつかの凍らない河川下流部や、海でのトラウトフィッシングはあるが、どうも好みではない。
かといって、ワカサギ釣りで慰めようにも、ちまちましたおままごとみたいな釣りもまたすぐに飽きてしまう。
ところがおやおや、ワカサギ釣りの横でサクラマスやアメマス、場所によってはイトウが釣れるじゃないか。
だったら、誰もやっていない、いつも秘境釣行で行くような山上湖でトラウトアイスフィッシングの開拓をしてみよう!
…と、いくつもの湖を回ってみて、楽しめる湖が定まってきた。
スノーシュー(もしくはノルディックスキー)を履いて雪山を分け入り、
たどり着いてみれば人っ子一人いない、痕跡もない山上湖。
おそるおそる氷上に上がり、穴を開けて仕掛けを垂らしてみれば、釣れるのはアメマス、オショロコマ、サクラマスなど。
餌釣りでもいいし、ルアーをしゃくるのも良い。
天候悪化に備えて、シェルターを作ってストーブを焚くのは秘密基地を作るようで、これも立派な冬の遊び。
みちくさ秘境釣行の冬の旅。
流石に夜は宿に入って秘湯にあたりましょうか。
氷下から顔を出すオショロコマに会えたときの感動は、源流で出会うオショロコマを凌ぐものがありますよ!
いつもみちくさのツアーにご参加いただき、誠にありがとうございます。
野あそびガイドみちくさも立ち上げから6年が経ちました。
ガイド業を継続させていただくことができましたのも、ご参加、またお仕事を発注いただきました皆様のおかげです。
しかしながら、ここ数年の物価上昇、また私事ながら2022年4月より長女の入学があります。
今後もガイド業を継続するため、またよりよりガイドサービスをご提供させていただくため、「2022年6月以降にお申し込みになられる新規ご予約分」よりガイド料金を変更させていただきます。
今までご参加いただいておりました皆様に置かれましては、さらなるご負担をお願いすることになってしまいますが、何卒ご容赦いただけましたら幸いです。
料金が変更になるツアー
昨2021年8月上旬
秘境釣行でよく訪れる、新冠川源流の下見釣行へ行く際、つり人社記者さんが同行、取材いただいた。
その際の記事が、
つり人社『渓流』2022年3月号 に記載されました〜
みちくさの秘境釣行にご興味のある方、ぜひぜひ雑誌をご覧くださいませ〜!
ゴールデンウィーク。
本州ではきっと渓流釣りの良い時期なのでしょうか。
北海道では雪解け増水真っ只中、渓流釣りなんてとてもとてもという時期です。
あともう少し、もう少しと恋い焦がれる気持ちを抱きつつ、道具の整理や毛鉤づくりに励む日々。
準備をしつつ、僕のタックルのご紹介などと筆を執りましたよ。
ロッド: BlueHeron エリーナ 9’ft #5 ・7PC
5番で9フィートの7本継というあまり見ない仕様で一目惚れで即注文。
しかも、継を一つ抜いて7ftでも使えるという。
これ一本で、おおよその河川・湖沼の釣りはまかなえちゃう一本。
渓流で5番は強すぎなところはありますが、落ち込みや瀬がすぐそこに迫る狭いポイントで40センチクラスをかけるとこのくらい強くなくては取れないのです。
リール: オリムピック4320
ドラグ性能なんて使う余地も無いし、緑っぽい色味が好きだし、ちょっと古い感じがさらに好きなので。
絶版なのに中古で出回っているのは安いので、ついつい買い揃えてしまうんですよね〜
ライン: ・・・
飛距離も求めていないので、白緑っぽい雰囲気だけで選んだ#5WFのなにか。
そのうちシルクラインを探してみようかな。
リーダー・ティペット: フロロライン
リーダーは使いません。
フロロラインのティペットを1X−2X-4X(場合によって追加で5X)の3本をつなぎ、9〜10ft分程度。
いつでもどこでも、自分の好きな太さとバランスで組めるので便利です。
その他: フォーセップ、フロータント、予備竿としてテンカラロッド
あると便利なものはなくても平気なんです。
秘境で大事なのは丈夫なことと、汎用性。
必要なものだけ残したらこうなりました。
あんまり雑すぎて、参考になりませんね 笑
そのうち、やっぱり参考にならない毛鉤の紹介もしようかな〜
『黒岳石室宿泊&大雪山お鉢平一周』
下山後 ・・・層雲峡温泉黒岳の湯入浴
集合31日7:00 解散1日20:00
¥18,000(ガイド、夕・朝食)
別途 黒岳石室宿泊料(2,000)、リフト・ロープウェイ往復乗車券(3,000)、必要に応じてシュラフのレンタル等
昨年、新型コロナ感染症拡大のため、営業することができなかった黒岳石室小屋。
お問い合わせも多々いただいておりましたが、残念ながらツアー中止となってしまいました。
2021年。
感染症はなくなったわけではありませんが、対策を講じた上で営業再開となるとのこと。
改めて石室宿泊ガイドを募集させていただきます!
夕食・朝食はガイドが運び、現地で皆で調理していただきます。
お鉢平の一周も、小屋に荷物を残置して回ってこられますので、体力的にも安心♪
大雪山をぐるっとあるいてみたい。
初めての山小屋宿泊に挑戦してみたいなど、いかがでしょうか?
宿泊に必要なのは、
日帰り登山装備に加え、シュラフ、マット、洗面用具、着替え、等が主なものです。
石室小屋ではレンタルすることもできますので(今年のレンタルは要確認いたします)、初めての山中泊でわからないことがありましたら、どうぞお気軽にお問合せくださいませ!
2021年4月
野あそびガイドみちくさも立ち上げから6年目を迎えます。
沢山の方にご参加いただいたからこその賜物で、
本当にありがとうございます。
みちくさのツアーの中でも特にご支持をいただいている秘境釣行ですが、
ツアーを重ね、ゲストの皆様のお声を伺いながら、ちょうど良い形ができてきました。
『2泊3日プランで1泊は車近くでキャンプ(もちろんキャンプ場でない)、1泊は山奥で野宿』
という流れです。
例えば…2020年夏、とある日高の源流にて。
1日目
9:00 新千歳空港到着、合流後に目的地まで移動
12:00 入渓点到着。午後の釣りにさっそく入る。
17:00 脱渓。車に戻ってオートキャンプ?北海道食材をふんだんに使った夕食&宴会
2日目
6:00 飲みすぎた頭を振りつつ起床。朝食
8:00 1泊装備を背負って入渓。一日かけて釣りをしながら遡行する。
17:00 そろそろキャンプ適地を見つけて野営準備。ガイドが夕食の準備中に夕マズメを狙うもよし。
3日目
5:00 起床。朝食。撤収。
7:00 釣り開始。撤収時間まで遡行する。
12:00 脱渓。エスケープルートを使って車まで戻る。
14:00 車まで帰着。
15:00 ふもとの温泉に入り3日分の汗を流す。
18:00 新千歳空港までお送り。
もちろん、2泊ともがっつり山中を釣り歩くのも良いですし、
日帰りだって。
3泊、4泊で泊まるのも、夜は一度街まで降りてホテルやキャンプ場のバンガローなど、いかようにもご対応可能です。
みちくさ秘境釣行をご検討の際には、ご参考くださいませ!
秘境釣行
沢登りでピークを目指すような人が見向きもしないような渓流。
釣人がおいそれと立入らないような源流域。
そんな人知れずイワナが育つような秘境を目指す渓流釣り。
そんな山岳ガイドだからこそご案内できる『秘境釣行』のお話です。
今回は温泉付きの秘境釣行のお話。
2泊、3泊、と野宿をしながら釣り歩き、
下界に戻って真っ先に行きたいのはラーメン屋さんではなく、居酒屋でもなく、お風呂。
3日ぶりに浴びるお湯のその気持ちよさと言ったらもう言葉に尽くせないほどだ。
あの気持ちよさを知っているから、風呂無し生活も耐えられる。
とはいえ、ああ、山の中でも温泉に入れたら…とは皆思うでしょう。
そんな夢のような秘境が北海道にはあるのです。
一つは十勝川水系トムラウシ川の地獄谷。
登山者の中では有名な沢登りコースで、遡行中の河原で突如湯が沸きだす場所。
大雪山系にありがちな、いくらでもオショロコマが釣れる渓流。
えてして湧くほどの渓魚が釣れる川はその密度のせいで大きな魚は釣れないけれど、
車を降りて丸1日かかるその奥地感は、釣果を超える感動がある釣り場だ。
もう一つは東大雪山系のとある源流。
国道から10㎞ほど先の終点から歩き出すのだけれど、こんなにもサルオガセ(地衣類)が濃い森は他に見ないほど。
入渓点にたどり着くまでですら、すでに冒険。
こちらはそんなに大きな川ではなく、車からも半日もあれば十分という距離でたどり着く温泉。
沢山のオショロコマに交じり、ニジマスなどが釣れる川なのだ。
かつては某バイクツーリングマップなどでも大々的に紹介されていた露天風呂だが、
2016年、北海道を襲った台風群により湯舟どころか、至る林道ごと流されてしまった過去の名湯。
とはいえ、物好きはいるもので。
2019年に林道が途中まで復旧し、徒歩数時間で行けるようになった。
以来、枯れずに溢れ続ける湯を貯める湯舟再構築の土木工事に励む有志がいるもので…仮設風呂建造⇒増水で決壊⇒建造を繰り返している。
僕らも2020年9月にかなり頑張って湯舟を作ったけれど、来年はどうなるか…?
もはや釣りに行くというよりも、
秘境の温泉に入りに行くついでに釣りができるというくらいに、釣り以外が楽しい渓流。
(温泉ついでの釣りの意味が違う)
大きい魚はあまり望めないけれど…
『こんな場所で』魚釣りをしたい、という、温泉付き秘境に分け入って、野宿をしながら、無垢なイワナと遊びたい。
そんなゲストには最高に楽しい場所になると思います。
釣ることだけが目的ではない、秘境釣行のご参加もお待ちしております。